展点について

about us

あなたが何を見て、どう感じたか。それを、共通言語で残す場所。

展点は、美術展を見たすぐ後に、その印象をシンプルな数字で記録し、共有するためのサービスです。

"評価"というと、展覧会や作品を無機質に裁くイメージを持たれるかもしれません。でも、私のイメージは少し違います。点数は、作品を序列化するためのものではなく、自分の中に一瞬だけ立ち上がった感覚に、責任を持って数字を使って表現することだと思っています。

例えばこんな未来があればうれしい。

ある人はほとんど美術展に行ったことがありません。でも、美術好きの友人に誘われて、なんとなく美術館に足を運びました。そこでたまたま見た展示に妙に惹かれ、なんとなく高い点数をつけて記録しました。意外と面白かったので、それから何度か誘われて、いくつかの展示を見ましたが、あまりピンと来ないものもありました。それでも、たまに美術展を見ていくうちに、だんだん「面白いな」と感じることが増えてきました。次第に、自分一人でも美術館に足を運ぶようになり……。

この過程を、あとから振り返ってシンプルに可視化できたら、とても面白い。新しい何かを好きになっていく過程そのものが、点数の並びとして浮かび上がる。そんなサービスになればいいなと思って、展点を作りました。

そして、こうした一人ひとりの軌跡が積み重なっていけば、それは個人の記録という枠を超えていくはずです。これまであまり記録されることのなかった、一人ひとりの鑑賞体験という「証言」。その証言が集積したとき、いつかこの時代の美術史を語るうえでの、大切な手がかりになる。展点が目指しているのは、そういう場所です。

なぜ、数字なのか。

過剰に攻撃的な言葉が飛び交う、分断の時代にあって、"数字"はとてもフラットに、そして多くの人と共有できる表現だと思うからです。そんな期待を込めて、このサービスを運営しています。

実体験から

私は高校2年生の冬、初めて友達と美術館に行きました。海を渡ってMoMAから届けられた作品を見たときのイメージは、今でも鮮明に頭に残っています。それから毎年、毎月、飽きもせずに美術館やギャラリーに足を運んできました。

でも、マメに日記をつけたり、SNSを更新したりするタイプではないので、大きな衝撃を受けた稀有な展覧会以外は、意外と記憶の端でひっそり佇んでいます。

ちょっと、もったいない。

これまで見てきた展示が時系列に並んで、その時々の印象が数字として残っていたら、すごく面白そうだ。単純にそう思って、このサービスを作りました。

美術は、見えないものや、見えにくいものを、見えるようにする技術や方法です。展点も、そんなイメージで——未来の自分に向けた表現になったら、いいなと思っています。

2026年8月21日